キャッチコピーの考え方と作り方のコツ 商品・サービス編
コピーライターが書くような、心に響くキャッチコピーを作りたいです!
考え方をマスターすれば誰でも作れます!挑戦してみましょう!
ここでは、初心者でも作れるキャッチコピーをコンセプトに、キャッチコピーの作り方をポイントとテクニックに分けて紹介します。
商品やサービスを立ち上げたオーナーや担当者は、一番情熱をもって伝えられる存在です。その想いをキャッチコピーに込めてお客様に届けましょう!
キャッチコピーの作り方 5つのポイント
基本中のキホン!まずは次の5つを意識してみてください。
- ターゲットを明確にする
- 最初にボディコピーを作る
- コンセプトとブレないようにする
- 端的に本質を訴求する
- 強みを相手のメリットに変換する
掘り下げていきましょう。
ターゲットを明確に。ペルソナを考えよう。
まず、ターゲットを明確にしましょう。明確とはペルソナまで考えることです。
美容系商品あれば、「20〜30代の女性」というターゲット設定にしがちなのですが、これではぼやけてしまいます。
年代が10〜20年にまたがるケースが多いんですが、この設定は辞めましょうね。
例えばこんなふうにしてみてください。
A
33歳女性/独身/東京都在住/会社員/年収500万円/趣味は旅行/月一回はエステと美容院へ通い、スポーツジムへも週2回通っている/ボディメイクを意識した筋トレをしている/好きなファッションはモード系
これくらい、どういう人か、顔やスタイル、性格までわかるように設定しましょう。
さて、
B
25歳女性/既婚/香川県在住/パート/年収150万円(世帯年収800万円)/趣味は子どもとお菓子づくりをすること/子育て中のため自分に費やす時間がない/好きなファッションはトレンドに左右されないリネンやコットンのワンピース
「20〜30代の女性」をターゲットにすると、こんな人も作れてしまいました。
どちらも同じターゲットの範囲にいる人なのにまったく違うペルソナです。
そう。20代〜30代女性といってもその範囲は広く、AもBにも刺さるコピーとなると・・・結局、当たり障りのないコピーになってしまいます。
ただ、こうしたペルソナを決定する際、クライアントによく言われるのが、
「そんなに絞ったら、それ以外の人が“自分は違う”と思って関心を持たなくなってしまう。それは困るんです」という懸念。
確かにそう思われるのも無理はありません。
でも、心配しないでください。意外かもしれませんが、そうはならないんです。
なぜか。
ペルソナはキャッチコピーを作るための人物像だからです。
その人を意識しながら、その人に響くように作っていくためのもの。
ラブレターを書くにも、相手のことをきちんと理解しておかないと書けませんよね。
それと同じ。
だから、ペルソナは具体的であるほうがいい。その方が刺さるコピーが作れるのです。
ボディコピーを書いてから考えよう
ボディコピーとは、キャッチコピーの下にある、100〜200文字程度の文章のこと。
キャッチコピーの意味や意図がそこを読めばわかるようになっています。
私はいつも、キャッチコピーをつくるとき、ボディコピーから書きます。
ボディコピーを作っていると、商品やサービスのポイント、伝えたいメッセージが固められてきます。それをベースにコンパクトにまとめたり、比喩的に表現したりして、キャッチーなコピーに仕立てていきます。
キャッチコピーを作る!と意気込むと、かなりぶっ飛んだコピーになりがちですが、ボディコピーを書いていくと地に足のついたコピーになります。
キャッチすることばかりにとらわれて派手な言葉を探すのではなく、ボディコピーと連動することを考えて作る。これは本当におすすめです。
コンセプトとブレないことを意識して作ろう
有名なキャッチコピーを真似てウケ狙いをしようとしたり、
かっこいい言い回しを真似するだけではキャッチコピーとして成立しません。
目立つキャッチコピーは、表現方法やテクニックばかりにフォーカスされてしまいますが、コンセプトからブレた表現は、逆にブランドや企業のイメージを傷つけてしまいます。
これは気をつけたいですね。
キャッチコピーはタグラインと違って、媒体やターゲットによって変えられますが、ブランドイメージや企業のコンセプトから大きくズレた表現はNG。
そのためブランディングを事前に行って、イメージやトーンを把握しておくことが大切です。
ブランディングって何?と思った人はブランディング6つのステップをチェック!
要点を端的に。分かりやすく書こう
よくやりがちなのが、脈略のない、ポエムのようなキャッチコピー。
私も昔、やったことがありますが。笑
これ、いろんなキャッチコピーを見てきて、コピーってこんな感じでしょ。とわかったつもりになって作ると大抵やってしまいます。
ただ抽象的なコピーがすべてダメかというと、そうではありません。
ターゲットや商品特性、広告の狙いなど総合的に考えて、抽象的な表現を使うこともあります。だからややこしい。間違いではないんです。
でも、抽象表現のほとんどは「世界観を知ってもらうため」、「イメージを伝えるため」という緻密な計算のもと行われていることと知りましょう。
自分で作るとなると、かなり難易度が上がります。
自分で作るキャッチコピーはストレートに端的に表現することをお勧めします。
また、短くしたいがために、難しい漢字や四字熟語を使うのも避けましょう。
世代を超えて語り継がれるいいコピーは、子どもでも分かる“やさしい言葉”を使ってできています。
メリットよりもベネフィット。視点を変えて書こう
商品やサービスのウリを押し付けるのではなく、商品を購入したり、サービスを受けることで、相手にどのような価値を提供できるかという視点のもとキャッチコピーを作成します。
だから、
「この商品はこんなことができます、これが強みです!」
と書いても、
「へーすごいね(棒読み)」と思われるだけ。
これを使ったら使った人がどうなるのか、何が変わるのかをきちんと提示してあげましょう。
私たちは日々、たくさんの広告を目にしています。
新聞やテレビCMだけでなく、SNSやウェブサイトの広告など、私たちのまわりは広告に溢れているといってもいい。
でも、どれだけのコピーが記憶に残っていますか?
それが答えです。
刺さらないキャッチコピーは、誰の心もキャッチできません。
かっこよくなくても、刺さるコピーは、読む人にベネフィット(価値)を提供できているものです。
ちなみに私が最近刺さったコピーは
「並べるだけで、みんながハッピー」の惣菜店のコピーでした。
作り方のポイントまとめ
- ターゲットを明確にペルソナまでしっかり考えよう!
- 最初にボディコピーを作って、見出しを考える感覚を大切にしよう!
- 内容がブレないように、常にコンセプトを意識しよう!
- 分かりやすい言葉を使い、端的に本質を訴求しよう!
- 自分の強みを使って相手にどんな価値をもたらせるかを伝えよう!
キャッチコピー作り方のテクニックとは。実践編
では実際にキャッチコピーを書いてみましょう。
最後はテクニックをお教えします。次の要素を意識してみてください。もっといいコピーになるはずです。
- 数字を入れる
- オノマトペを使う
- 文章の語順を変えてみる
- 似た言葉をモチーフに使う
やっていきましょう!
ここから先は少々国語の授業のような感じになりますが、実際にキャッチコピーを作るうえで、ポイントになることなのでぜひ読んで実践してみてください。
具体的な数字を入れる
これは鉄板です。具体的な数字を入れることで、キャッチコピーにリアリティが増します。
「いつも」とか「ずっと」ではなく、24時間、365日のようにしたり、「食前に飲む」ではなく「食事の30分前に」と書きましょう。
こう書くと、たいていクライアントは、「いや、食前でいいよ」。と言うのですが、30分前と書いても20分前や40分前に飲む人もいるのは想定の範囲内。読み手に目安を与えるのはコピーができるやさしさです。
オノマトペを使う
ガタンゴトン、ぽにょぽにょ、キラキラなど
これらの言葉を見るだけで、頭のなかにイメージが広がります。
オノマトペは短文でパワーをもつ言葉です。
ガタンゴトンだと
電車が走ってくるのかな、線路から音が聞こえてくるよ
という一文をガタンゴトンで語ってしまえます。
このように多くを語らなくても、言葉の響きでイメージを広げられるオノマトペは、短い文章で訴えかけるキャッチコピーに最適です。
文章の語順を変えてみる
キャッチコピーは、単なる文章ではいけないわけで。
ちょっと引っかかってもらうためには、あえて違和感を与えるというのもテです。
例えば、「わたしは走る。」だったら、「走る、わたし。」のように語順を変えてみるのです。
すると、ちょっとキャッチコピーぽくなりますよね。
似た言葉をモチーフに使う
チャンスとチャレンジのように字面が似たものをうまく組み合わせるという手法です。
かつて私が作ったコピーに「チャレンジするから、チャンスがくる」というのがありますが、似た文字を使いながらメッセージを託すのもおすすめです。
一生と一瞬は相反する言葉ですが、資生堂はこのように使っています。
「一瞬も一生も美しく」
名言ですよね。
作り方テクニックのまとめ
- 伝えるメッセージは一つ。目的を考えれば答えは明白です!
- タグラインがキャッチコピーになる場合もあります!
- 心に刺さるコピーは、無意識にいる人をこちらに向かせる強い力があります!
キャッチコピーという名の通り、お客様を素通りさせず、キャッチすることが狙いのコピーだから、ターゲットによっては少々過激なコピーを作ることもありますし、クスッと笑えるユーモアあふれるコピーを添えることもあります。
ターゲットに伝わるキャッチコピーであれば、それが正解です。
さぁ!レッツチャレンジ!!!