コンセプトとは核。コンセプトのないものは生き残れない。
新しいお店を立ち上げるのに、コンセプトって必要ですか?
絶対に必要です。なぜなら、コンセプトは核であり、戦略の源であり、地図だからです。
コンセプトとは
コンセプトとは、核であり、地図だと私は思います。
ブランディングに携わっていると、コンセプトという言葉を何度も使います。
それは方向性に迷ったときに必ず指針となってくれるものだからです。
コンセプトはすべての事柄のど真ん中にあり、コンセプトを中心にして、キャッチコピーやパッケージデザイン、店舗デザインなどすべてのことを考えていきます。
コンセプトがなければすべてがバラバラになってしまい、統一感のないものになってしまいます。それだけでなく、訴求力は弱くなり、魅力のないものになってしまいます。
コンセプトはなぜ必要か
コンセプトが必要な理由は主に以下の2つです。
すべての制作における指標となるから
コンセプトをど真ん中に置いて物事は進んでいきます。
例えばバーを作るとき、ソファ席をメインにするか、カウンターをメインにするかはコンセプトによって決めることができます。これをオーナーの好みでやってしまうと、すべてがバラバラになってしまうのです。
コンセプトが中心にあって、そのまわりを、ロゴやキャッチコピー、商品、店舗デザインなどがあるイメージ。ロゴを考えるときも、店舗デザインを考えるときも、立ち返る場所はコンセプトであるべきです。
オーナーであるあなたが、ロゴもお店づくりも全部自分でする、ということはないと思います。設計士に頼んだり、デザイナーに頼むことになると思いますが、その時に指針となるコンセプトを固めておくことで、発注される側(設計士やデザイナー)は迷わずに、あなたの考えるゴールへ近づく答えを出してくれるのです。
選ばれる理由となるから
いまやどの市場においても物やサービスが溢れ、差別化、差異化が難しくなりました。
物を出せば売れた時代がありましたが、今はそうではありません。
人々は、共感したり憧れたりするものを選びます。その憧れや共感を生むのがブランドであり、そのブランドを作るのがコンセプトです。コンセプトがきちんとしていなければ、魅力あるブランドは作れません。
コンセプト開発は、ブランディングの要であり根幹です。
その物やサービスの特徴をどのターゲットにどう訴求するのかという決め事や理由になります。コンセプトをきちんと設定しておくことでブランドの魅力は伝わります。
コンセプトのあり方について
大前提として、コンセプトはキャッチーなものではありません。その会社、その商品、そのサービスをきちんと捉えている普遍的で素敵だなと思われる言葉です。
例えば会社の歴史、独自性のある技術などを、ターゲットは誰か、その特徴は?他社(者)との違いは?などを掘り下げ、情報収集の際の気づきを反映して作ります。そして、ターゲットにどういう角度で見せれば伝わるか、という視点でコンセプトを設計します。
ここで必要なのが客観的な視点です。会社や商品の強みがニーズとマッチしているのか、そこにギャップはないかということも意識して見るようにしています。そうでなければ、コンセプトがニーズにマッチしない、魅力のないものになってしまう可能性があるからです。
自社でコンセプト設計する場合は、強みだけにフォーカスせず、市場ニーズを捉えながら考えるようにしましょう。
コンセプトの作り方
ブランディングにおいて一番大切で難しいのがコンセプトづくり。
客観的な視点で、コンセプトをつくり、ブランディングの礎を作りましょう!
客観的視点で自社の強みを洗い出そう
まずはお店や商品、サービスの特徴を洗い出しましょう。
私はお仕事をさせていただく際、会社のホームページを読むだけでなく、直接話を聞いて製造工程を見せてもらったり、現場で働く社員に話を聞いたりしています。
自社で強みと思っていること以上に、第三者が見ることで新しい発見が得られることもあります。なので、自社でコンセプトづくりを行うときはなるべく客観的な視点を持って行いましょう。
ニーズとターゲットにマッチングする強みを書き出そう
設定しているターゲットに響くものかどうかを精査します。
軸に考えたいポイントは次の3つです。
- 好きになってもらえるか?
- 信頼が得られるか?
- 共感してもらえるか?
これらを軸にして考えるといいでしょう。
わかりやすい言葉で表現しよう
先ほども書きましたが、コンセプトはキャッチコピーではありません。
ゆえに、キャッチーである必要はありません。それよりも、いろんな人と協業しながら進めていくプロジェクトの指針となるように、わかりやすく、判断の基準となるものであるという意識を持ちましょう。
例えば、「撮影って楽しい!クリエイティブを楽しむセルフ写真館」のようなものです。
キャッチーでもなければ、普通ですよね。でもいいのです。これは誰かに見せるものではなく、裏方が意思統一を図るためのものなのですから。
このコンセプトをもとに、キャッチコピーやネーミング、ロゴマーク、店舗設計が行われます。
コンセプトを見れば、ターゲットは撮影者(カメラマン)であることは容易に想像できますし、クリエイティブを楽しむ=いろんな背景があると楽しいかな、というように店舗設計のイメージが膨らみます。またいろんな背景がある=時代や国を超越した背景を作ろう→「時空を旅する」というタグラインが生まれる。というように、いいコンセプトは連動していきます。
1つ1つのエッセンスが点ではなく、線となっていくコンセプト開発。これが魅力あるブランドになるためのストーリー性のあるコンセプトです。