コンセプトを作るときはターゲットを明確に設定しよう。
ターゲットを設定すると、ターゲット以外の人が来てくれないんじゃないでしょうか?
時々、クライアントさんにも言われるのがこのセリフ。でも違うんですよ。解説しますね!
ターゲット以外の人が来てくれない?!
コンセプトを作るときに、絶対に必要になるのがターゲットの設定です。
そのお店はだれに向けたもの?その商品を買うのはどんな人?
コンセプトを曖昧にしているとブレてしまい、結果的に誰にも刺さらないものになってしまいます。
コンセプト開発のステップ2となるターゲット設定では、ターゲットのペルソナまでしっかり決めていきましょう。
時々、クライアントさんに「ターゲットを絞りすぎるとターゲット以外の人が来なくなるのでは?」とか、「30代女性とか広く設定してるほうがいい気がする」と言われます。
でも、これはターゲット設定の概念を間違えています。
安心してください。ターゲットを絞っても、ターゲット以外の人も来てくれますから。
ターゲット設定はコンセプト作りのため
ターゲットを設定する理由は、コンセプトがブレないようにするためのものであり、「ターゲット以外にお店に来てくれるな」と言っているわけでも、「ターゲット以外は商品を買わないでいい」と言っているわけでもありません。
では、なぜターゲット設定が必要かと言うと、コンセプトを作るにあたって、内部の人が同じ人を想像できるようにするために必要なのです。
前段で行ったマーケティングリサーチのもと、どういう人がターゲットになり得るかという情報をもとに、ターゲットを決めます。
ターゲットを想像しながら、その人ならどういうパッケージを好むか、どういう世界観を気にいるかという視点で考えられるようになるのです。みんなが同じ人を想像しながら考えることができる。だから、ターゲット設定が必要なのです。
ターゲット設定の必要性がわかったら、そのターゲットの詳細を決定していくペルソナ設定に進みましょう。
ターゲットのペルソナを考える
ペルソナってなんですか?
マーケティング用語で商品やサービスを利用する人物像のことです。年齢や性別だけでなく、年収、家族構成、趣味などかなりリアリティのある人物像にまで解像度を上げていきます。
ペルソナは実在する人物である必要はありません。
ここで役立つのが、ステップ1で行ったマーケティングリサーチ。
市場調査で見たり、アンケートで集まった情報のなかで、ペルソナを決めていきましょう。
リサーチに基づいて考えるので、あまりに現実離れした人を設定することはなくなります。
ペルソナを根拠のない空想で決めてしまってはいけませんよ。ステップ1のマーケティングリサーチでの気づきを反映させましょう。
- 名前(吉沢レイ、永井慎太郎など名前を具体的に決定する)
- 年齢
- 職業(フリーランスフォトグラファー、雑誌編集者など詳細まで決定)
- 年収(ここで設定するターゲットは平均値ではなく最高値に設定)
- 家族構成(マーケティングリサーチの要素も踏まえて)
- ライフスタイル(衣食住に関する予算配分を見る)
- 好きなブランド(トーンを知ることができる)
ペルソナを考えるときに気をつけたいのが、ライフスタイルや好きなブランドの項目です。
何のためのペルソナを考えているか?を忘れずにしましょう。
例えば、食品の新商品開発のためのターゲットを決める際は、食に関することを重点的に描いていきます。なので、好きなブランドの項目にはファッションブランドではなく、DEAN&DELUCAといった、食に関するセレクトショップをチョイスします。
私も注意していないとズレそうになります。でも原点に立ち返り、目標(何のコンセプトを設計しているか)を常に意識しながら設定すると迷子になりにくいですよ。
ペルソナは憧れられる設定に
ターゲットのなかでも詳細に描いた人物像がペルソナ。
このペルソナはターゲットのなかでトップオブトップの位置付けです。影響力が大きく、
「その人が来てくれたら、こぞって他のみんなも来たくなる」そんな存在に設定しましょう。
それはなぜか?
皆さんも経験あるんじゃないでしょうか。
インフルエンサーに憧れて同じものを買ったり、同じ場所に行ったこと。
そう、ペルソナは今でいうインフルエンサーに近い“影響力をもつ人”であるべきなのです。
ペルソナが良いという。それを受けてその他大勢が共感する。
この構図のもと、ペルソナ設定は行っていきましょう。
今の時代、ペルソナはひとりではない!?
もうひとつ大切なこと。それはできるなら、ペルソナを1人以上設定したいということです。
昔はみんなが同じアイドルを好きという時代でしたよね。
ヘアスタイルにしても「〜ちゃんカット」が流行ると、テレビでも街中でも同じ髪型やファッションが流行りました。
ところが最近は「みんなが好きなものをみんな好き」とは限りません。
価値観の多様化が進み、コミュニティも細分化されるようになってきたのです。
だからこそ、ペルソナは1人ではなく、2人、3人にしておくことも必要と言われるようになってきました。
例えばバリキャリウーマンやユーチューバー、自然派コスメを愛用する主婦など、ペルソナは具体的に決定していきましょう。
ペルソナが決まれば仕事がスムーズに
そこまでペルソナを具体的に決める意味ありますか?
ペルソナを決定づけるのにもある程度、時間を要します。
するとクライアントから、時々そこまでする意味ある?と言われるのですが、、、。
もちろん、意味あります!
確かにペルソナをお客様に提示するわけでもありませんし、裏方の人たちにしかわからないものですが、ペルソナがあるとないとでは仕事のスピードが全く違います。
ターゲットが明確になるということは、各部署が指示を待たずに同じイメージを持てるということ。ペルソナを意識し、同じゴールを見据えながら仕事ができます。
特に、飲食店や物品を販売するお店などはメニュー開発や商品の仕入れなどがイメージしやすくなります。また、各専門家がそれぞれの知見からターゲットを意識した提案を行うことができるようになり、業務効率は格段に上がるようになります。
まとめ
まず、ターゲット設定はコンセプトを作るために必要不可欠なものだと理解しましょう。明確にすることで、裏方の作業(店舗設計、商品開発など)が格段にしやすくなります。決して、ターゲット以外を排除するものではありません。
ペルソナを考える際は、マーケティングリサーチで得た情報をもとにし、その中でもキャッチーな人物像をブラッシュアップして設定するといいでしょう。
インスタグラマーのような影響力のある人を設定します。
また、最近ではペルソナは2つ以上設定するほうがいいという考え方もあります。
価値観が多様化され、細分化された現代だからこそ、複数のペルソナが求められるようになっています。
ターゲット&ペルソナが決まったら、ついにブランディングの要ともいえるコンセプトの開発フェースに突入です。