ブランディングとコピーライターの関係
ブランディングは誰が中心になって行うものですか?
ブランドプロデューサーやコンサルタント、アートディレクター、コピーライターなど企業によっていろんな立場の人が指揮を取っていますよ。
ブランディング=広告だった時代
かつて、ブランディングは新聞広告を出したり、テレビCMを流すことと考えられていた時代がありました。
目立つことをして目に止めてもらい、印象づけを行うのです。私が住む地方では、今もそのような手法をよしとして営業している代理店もあります。ブランドの認知を図るため、という大義で、派手なCMを流すのです。(私は果たしてそれが本質だろうかと疑問に思いますが。)
話が逸れましたが、こういったブランディング=広告の時代にブランディングの先導指揮をとるのは広告代理店のディレクターという肩書きの人が多かったように思います。
CMや新聞広告というマスに落とし込むという作業になるからです。
かくいう私も、コピーライターとしてディレクターの指示のもと、キャッチコピーを作成したり、ボディコピーを書きました。
デザインでブランディングを行うケース
ただ、最近ではブランディングを違う視点でとらえ、その必要性を感じる企業や事業体が増えてきているように感じます。
例えば農業法人。全国にはたくさんレモン農家があるなかで、自社の特徴を前面に出してブランド化したい、というように。加工した商品のパッケージデザインやパンフレット、ECサイトなどの構築を考えると、WEB制作会社やデザイン事務所にオファーが寄せられているという印象があります。
私もコピーライターとしてプロジェクトに参画することもあります。
しかし、この場合もCM同様に成果物(パッケージデザイン、ホームページ、カタログ、パンフレットなど)ができてしまえば、お仕事が終了してしまい、効果のあるブランディングができたのかどうか少々疑問が残ります。
事業を俯瞰し、本質にアプローチする
そんななか、私がいま一番共感しているのが、ブランドプロデューサー柴田陽子さんのブランディング手法です。
お客さまが感想をもつポイントをすべて洗い出して、それがコンセプトと合っているか照らし合わせながら調整を行うというもの。
先に挙げた、パッケージデザインもホームページも手法の1つに過ぎず、それだけでは完結しない、という考え方です。
莫大な費用を要するテレビCMの費用対効果を考えたとき、効果の得られるものに予算を投じるよう提案もするようです。例えばCMよりもお店を改装することに予算を割いた方がいいと提案したり、メニュー開発から関わったり…。
これまでのCMを作る、ホームページを作る、というやり方とは全く違います。
まずコンセプトありき。そして、俯瞰して見て必要なところにメスを入れるというやり方です。
コピーライターのブランディングの関わり方
コピーライターの仕事はキャッチコピーやネーミングなど、目立つところだけでなく、コンセプトや企画書の作成にこそ、その力を発揮できると考えています。
なぜそうなるのか、その理由をマーケティングリサーチやターゲット設定を経てご提案します。
コピーライターだからできるブランディング。
それは、クライアント様に丁寧にヒアリングをし、潜在意識を含めてエッセンスを炙り出し、丁寧な言葉選びで本質を表現することです。
このフェーズを私はコンセプト開発と呼んでいます。
ここを読めばわかる! 参照:コンセプト開発