コンセプトを作るための最初の一歩、マーケティングリサーチ
マーケティングリサーチって何のためにやるんですか?
ブランディングで大切なコンセプトを作る前に、周辺環境や自社の強みなどマーケットを把握しておく必要があるんです。
そういうのって外注したほうがいいのでは?
ここでのマーケティングリサーチは他社を調べるだけでなく、自社のことも掘り起こす作業です。ぜひ自社でやってみてください。発見があるはずです。
自社の特徴を明確にする
まずは、自社のことをしっかり把握することから始めましょう。
白い紙を用意するか、社員何人かでディスカッションする場合はホワイドボードを用意しましょう。
何が強みで、どういったビジョンを描いているか、どんな社風か、お客様からどう見られているかなどなど、自社の魅力を掘り下げてみましょう。
次に自社で課題となっているところを書き出してみましょう。
なぜ課題となっているのか、原因もわかる範囲でピックアップしておきましょう。
- お客様から言われる言葉を拾い上げてみよう
- 業績、技術、人材などから強み・弱みをあぶり出そう
- 社員同士(チーム)でディスカッションしてみよう
競合を調べる
競合となるお店や会社をピックアップしましょう。
この場合の競合とは業態が同じという意味に限りません。例えばエステティックサロンの競合をリサーチしようとした場合、大抵の人はエステティックサロンだけを探します。
周辺にエステティックサロンがなければ競合なしと言えるのでしょうか。それは違います。
ここで大切な視点は、エステを受けたいというお客様の心理に近い業態はすべて競合であるという考え方です。
エステに通う人の心理は「綺麗になりたい」という気持ち。そういう気持ちを持つ人が行く場所なのだとしたら、スポーツジムや美容院も競合の側面をもつのです。
- 商品を買ったり、体験してどういうサービス(物)を販売しているのか知ろう
- 競合の実店舗を訪れ、周辺も歩いてみよう
- トレンドを把握しよう
お客様の特徴を知る
既存顧客がいる場合は、直接お客様にアンケートをとるなどして、情報を集めましょう。
これから新規事業を立ち上げる場合は、競合に通うお客様を観察し、ターゲットとなる人の予測を立てます。競合に通う人たちの車種、バッグ、靴、ファッション、スタイルなどを考察し、お客様となる人たちがどういう人かを調べましょう。
そこから、年収やライフスタイルを想像していくことで、ターゲットが具体的になります。
- 人生において大切にしていること
- お金の使い道
- SNSの活用法
- 好きなブランド
リサーチした情報からコンセプトの道筋を考える
調査で分かったこと、調査をして気づいたことをまとめていきます。
例えば、実際に私がコンディショニングスタジオからご相談いただいたとき、このマーケティングリサーチのフェーズで、ポジショニングをどうすべきか、コンセプトはどうあるべきかが見えてきました。
「特徴」
- 鍼灸やマッサージとピラティスなどのエクササイズやトレーニングを融合したお客さまの状態に合わせたオンリーワンのセッション。
- 症状の根本的な改善が見込める。
「課題」
- コンディショニングの認知度が低く、必要性を感じ取れていない。
- ピラティスではなく、Nicoのコンディショニングを明確にする必要がある。
「ビジョン」
- Nicoのコンディショニングを流行ではなく、長く必要とされるものにしたい。
- 体の不調をなくし健康になることで、自らの力でポジティブに生きる力を芽生えさせたい。
これらを受けて、私はポジショニングを「すべてのスポーツやフィットネスの前にあることで、より効果を発揮できるものである」と定義づけることにしました。
このように、気づきから得たものが、コンセプトになっていくのです。
まとめ 調査した情報はコンセプトを作るためのもの
これらのリサーチはコンセプトの礎となる情報です。なので、これらの情報を正確に把握しておくことが大切です。
リサーチするなかでたくさんの気づきがあると思います。それがコンセプト開発の大きなヒントとなってくれます。
会社の沿革を学び、ルーツを知ることで、会社の現状やあり方に納得することもあるでしょう。
競合のサービスを知ることで、自分たちにはどういうアプローチができるか考える機会にもなります。
マーケティングリサーチを正確に行うことで、コンセプトとなる種が見つけ出せるのです。
マーケティングリサーチはコンセプトの礎を作るためのものと考え、入念に行いましょう。
たくさんの気づきをもとに、次はターゲット設定へ進みましょう。